■
11/28-29 第26期竜王戦七番勝負 第5局 ▲森内俊之名人-△渡辺明竜王
第4局と同じ進行。ダブル往復ビンタ。将棋界の今年の流行語の1つは往復ビンタですかね。
羽生三冠だったら変化球を投げるでしょうが、居飛車本格派の頂点の2人だから引き下がれない。
5局やって全部矢倉で2つの進行しかない。一瞬詰まらんシリーズに思われそうだけど、竜王vs名人のプライドの衝突という図式だから。負けた方は精神的苦痛が尋常じゃないよな。完全に打ちのめされたわけで。
今期の名人戦同様に、森内名人の懐が深すぎる。突き進んでももう1歩届かない。手駒が初めから1枚多いような手厚い受け。ただの受けではなくて68銀のような積極的な志向。竜王の細い攻めを紡ぐ技術を持ってしても、次第にほころびを見せて、繕う余裕を失わせて、切れていく。
既に詰みがあるのに指し続けた竜王の無念に他人には理解しえないつらさが垣間見えた。
竜王名人は今期に賭けていたような大爆発で、来期の名人戦、竜王戦はどんな研究成果を開陳するのだろう。
20代のうち9年間保持し続けた冠を失った前竜王の次回作に期待したい。あと渡辺明を竜王と言えない違和感。呼び名をどうしたらいいのか。