第38期棋王戦挑決トーナメント 準々決勝2局

ここを勝てばもう1敗できる。

先手勝ち。
4手目一手損角換わり。糸谷が5戦1勝と得意の戦法。ただしその1敗の前例をたどったようだ。羽生は右玉に構えて、後手は金銀4枚の固い守り。でも感想戦で羽生が言っていたように後手から手が作りにくいようだ。厚い守りに53の垂れ歩と64の銀が先鞭をつけて、調度よい枚数の持ち歩でバランスを壊し、さらに手持ちにした角と遊んでいた飛車も中央に回してとどめを刺す。双方とも1時間23分残して(持ち時間4時間)、16時47分、早々に終局した。

後手勝ち。
久保が角換わり四間飛車から向かい飛車として棒銀模様で突破を狙うが、これが重たい。佐藤は62の銀を51に後退させて固い守りを築き、8,9筋を手放す。逆に69角打、先手の桂頭を破ってと金、そして飛車を見捨てて67香打で攻め手を増やす。先手は1筋の端歩をついていないので狭い。ここからは速度勝負かなと思っていたが、どちらもしぶとい。先手は香車2枚重ねて防御を強化し、後手は相変わらずの金銀4枚を凝縮させてカチカチ。優劣不明の寄せ合いとなったが、最後は佐藤、1分将棋を読みきった。

さて次は羽生-佐藤戦と。