第62期王将戦挑決リーグ 渡辺明竜王-深浦康市九段

横歩取りらしく序盤の神経戦がたまらん。▲69玉と引いたのはどういう意味だったのか。後手が飛車を35へ転回して▲75歩と△36歩打の交換から▲72歩の垂らしに△37歩で返す。深浦は慎重に手を選択したが、竜王らしい懐の深い受け、▲66角打がその後の▲84角の進出を伴って価値の高い一手となった。一方の後手は27角打から馬を作ってポイントを地味に稼ぐ。
終盤では先手が73歩からのと金を銀にして、桂馬で着実に後手の玉を攻める。後手は88歩・89飛車だが比較するといかにも間に合わない予感。それでも91手目▲62角成を手抜けばチャンスがあったようだ。3分考えて△62金と。あとは手順に即詰みまで。
竜王は3勝0敗、深浦は土がついて4勝1敗。

いい将棋だった。