ケンタッキーダービー出走権獲得レースからイリノイダービーが除外された件をきっかけにCDIとイリノイ競馬委員会が揉めている(2012/12/4)

直接的な因果関係が認められたわけではないですが。

  • 今年6月にチャーチルダウンズ社(CDI)からケンタッキーダービー出走基準変更がアナウンスされた(参考: 2013年から Kentucky Derby 出走馬選出基準が変更されます - 馬メモ )。簡単に言うと指定レースでの獲得ポイントでKYダービー出走権が決まるように変わった。ところがIllinois Derby(G3)が指定レースに含まれていなかった。このレースがG2だった2002年の勝ち馬ウォーエンブレムは二冠を制し、また2005年の勝ち馬SweetnorthernsaintはKyDerbyで1番人気(7着)、Preakness(G1)では2着と好走している歴史があるにもかかわらず。2010年にG3に降格して確かに劣化しているが、似たり寄ったりのレベルでも対象レースになっているものがあるので、関係者からもこの除外処理には指摘が入っていた。
  • 穿った見方をすれば、Illinois州の主要な競馬場はArlington Park競馬場とHawthorne競馬場の2つであり、前者はCDI傘下だが後者は無関係。ライバルに塩は送らないとばかりに後者で施行されるIllinois Derbyを外したのではないかと。
  • 9月のイリノイ州競馬委員会(Illinois Racing Board. 以下IRB)にCDI担当者が呼び出されIllinois Derby除外の件で吊し上げをされた(Flanery Explains Derby Qualifying Changes | BloodHorse.com)。さらにこの委員会の場で、2013年のイリノイ州内のサイマル主催日数の決定がなされたわけだが、これがCDIIRBの対立の燃焼剤となる。サイマル売上は主催となった競馬場にホストフィーが分配されるので、サイマルの主催日数は競馬場経営に直接的な影響を与える。競馬開催中の競馬場が通常は主催者になるが、非開催日の場合については州競馬委員会で決定しているようだ。ともかくこの委員会にて、1,2月の非開催日18日間がArlingtonからHawthorneへと付け替えになった。しかも決定の過程がいかにも怪しく、最初の投票では4対4で同票となったが、10〜15分ほどの(Arlingtonサイドは蚊帳の外に置かれて)密談が行われ再投票の結果6対2で付け替えが決定した。Arlingtonはこの決定に反発し11月に訴訟を起こしている(Arlington Files Suit Over Simulcast Dates | BloodHorse.com)。今後の展開が楽しみだ。