今週の将棋(2/11-15)

2/11 第84期 棋聖戦 決勝トーナメント 1回戦

渡辺明竜王
行方尚史八段
戦型:矢倉 △55角急戦(阿久津流)

2/9 朝日杯、2/10 NHK杯、2/11 本局と3日連続で竜王の将棋を観戦。このあと2/12 移動日、2/13・14 王将戦だから多忙だ。

22手目△55歩〜△55角と阿久津流の急戦とナメさんによく似合う攻めっ気のある仕掛け。飛車を62に回したり攻撃の糸口を探る。
が、先手は守っては穴熊に組み、右桂も跳ねて自軍の駒を攻守に総動員できているが、後手は十分に活用できていない。結果的には先手が雀刺しから飛車を切って、後手の防波堤は決壊。一気の攻めきりで竜王が完勝した。

竜王の次戦は深浦-糸谷の勝者ですか。

2/13-14 第62期 王将戦 七番勝負 第3局

佐藤康光王将
渡辺明竜王
戦型:横歩取り△84飛

このところ横歩を復活させつつある竜王(NHK杯*収録日がいつかは知らないが*、羽生戦(A級、朝日杯準決勝))が2連勝で迎えた王将戦第3局でも採用。

ともかく本局は佐藤康光ワールドが全開。
いますぐ何かという手ではなかったと思う、37手目▲56角が終盤になって勝敗の帰趨を握るとは。
後手は左銀が不安定な位置に浮かんでしまい、足を引っ張る存在になってしまった。第25期竜王戦第4局の、1筋で目標にされてしまった銀のような印象。竜王は左辺を不本意な形かもしれないが落ち着けてから56手目△85桂と跳ねた次の一手、▲88玉の顔面受けが豪快すぎる。ようこそ佐藤康光ワールドへ。本局に破れたら3連敗で逆王手がかかるのにこれだから・・。誰もマネできない。
覚悟、というか方針を決めたのだろう。玉で制圧してやろうと。佐藤康光王将の化身たる玉が63手目▲87玉と立った場面に思わず康光ファンの私はにんまりしてしまった。ものすごく危険なのに、康光勝ったなと根拠のない確信すら。
後手の飛車を歩で封じ込めて優勢は間違いなし。咳き込む様子はこれまでの2局であれば苦しく思われたものだが、本局では勝利への雄叫びのように。

91手目▲81歩成、成り捨てで飛車の効きをずらしトドメの一撃95手目▲82銀打で防衛への1勝をもぎ取った。

しかしこんな勝ち方は七番勝負で2回は出ないよなぁ、とも。
作戦勝ちが難しくて予想外の手、ある種(プロには)無い手で勝たないといかんのは、まあこれがヤスミツ将棋であるのであれば仕方ないが、なんと茨の道か。

2/14 順位戦B級12回戦

昇級者が決まって実に盛り上がらない。
その昇級者2名は強い内容でまた白星を重ねた。行方八段は全勝に王手をかけて最終戦は久保九段と。この対戦、勝っても負けても2人の来期A級順位には影響はないが、熱い勝負を期待。ラス前がバレンタインデーで、最終戦がホワイトデー。

降級は中田宏樹八段が決定。
もう1名。候補は井上慶太九段(7位:3-8)、鈴木大介(9位:4-8。対局終了)、飯塚祐紀七段(13位:4-7)。互いに対局はなし。飯塚のみ自力残留あり。

  1. 井上負け→井上降級
  2. 井上勝ち、飯塚勝ち→鈴木降級
  3. 井上勝ち、飯塚負け→飯塚降級

2/15 第63期 王将戦 一次予選

加藤一二三九段
△藤森哲也四段
戦型:相矢倉

将棋の中身はもうどうでもいいだろう。ひふみん、14連敗の末、1309勝目を獲得。歴代通算勝利数で単独2位に浮上した。

加藤九段、通算勝数歴代単独2位の1309勝を達成! | お知らせ|お知らせ・イベント情報:日本将棋連盟(internet archive)

中原もまだ2位になってるぞー。