LPSAによる一方的な契約解除通知と、石橋女流四段の マイナビ女子オープン対局放棄についての記者会見 | お知らせ|お知らせ・イベント情報:日本将棋連盟

(1)LPSAとは全ての新規契約を締結しない
(中略)
棋戦参加については、LPSAを窓口にはしない所存です。LPSA所属の女流棋士とは、個々に交渉することを考えています。その場合、LPSAに所属したままでも結構です」と続けました。

女流棋士個人は認めるけど、組織としては認めないと。

PSAの要求は、LPSA独自に設定したプロ認定基準に基づき認定した女流プロ棋士を、連盟の認定基準に基づき認定される女流プロ棋士と同等に扱うよう要求するもので、連盟がこれに応じないのは、LPSAの自主性・自治権を否定する等の主張でした。
 しかしながら、それぞれの社団は、それぞれの目的、基準において運用されるものであり、LPSAがいかなる対応をされようとも、連盟は、プロ認定基準を変えることはできません。連盟には曲げることができない秩序と基準があるのです。

升田幸三の自伝などでもそうだが、もともと段位なんて適当なもんだった。それが歴史的な積み重ねで棋士については奨励会から四段になることで(いくらかのバラつきはあれども)一定の力量があると認定できるほどになった。
女流についてもいろいろ変遷はあったが、一定の才能を測る仕組みを作っていった。LPSAもこの権威にすがって移行期を作るべきだったかもしれない。パイは限定されているので女流棋士の粗製濫造は不幸な未来でしかない。現状のLPSAの認定が実質的に連盟と同等の水準にあったとしても裏付けはどこにもない、勝手認定にすぎない。
だから最初はLPSAのプロ基準をクリアしたら連盟の研修会で女流認定を取っていって然るべき実績を作るべきだった。ファンに対してもLPSAのプロ認定の確からしさを証明すべきだった*1

最終的に連盟はLPSAという組織を切り捨てることにしたわけだが、LPSAの教室?とかに通っている未来の女流棋士やファンも切り捨てたことにならないか。個人的には今回の件がなくてもLPSAの将来は暗いと思うし、これまでの経緯を洗い流すことは困難だったとしても、この決断が連盟としての最善手だったとは思えない。それに会長の対局日に合わせたわけではないだろうが、会長不在の会見でよしという感覚が理解できない。

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で、認定問題。上記と矛盾はしているのだが・・、

(1)本件問題について、LPSAという組織及び石橋氏個人の立場から(株)マイナビ様に対し真摯に謝罪を行い、(株)マイナビ様から容赦してもらうこと。
(2)LPSAが、連盟と今後友好的関係を築くよう努力する旨、また、女流棋士認定基準について、連盟、棋戦主催者及び将棋ファンが広く納得する共通の価値・認識を持つ基準を協議する旨を表明すること。

 その際、併せて、LPSAが期限までに上記2点の対応を完了されたならば、渡部愛さんについて特例を認めるという柔軟な対応表明までいたしました。
 連盟が上記のような対応をいたしましたのは、LPSAが問題の本質を理解せず、いつまでも自己の主張に固執することは、スポンサー各社様の理解が得られないだけでなく、将棋ファンを困惑させ、今後の将棋の発展と普及を阻害するという危機的問題であると強く認識したからです。世界に誇る伝統文化たる将棋を守るためにもできる限りの対応をさせていただき、再考されるよう何度も要請した次第です。

しかし、LPSAは、当初は「契約を解消したのだからその必要はない。」という返答があり、最終的には、連盟の提案(2)のうち、連盟との友好関係を築くよう努力する旨の表明はせずに、今後、棋士認定基準について協議することのみを表明した上、この協議が軌道に乗った場合には、(1)のマイナビ社への対応を行うという返答をしました。つまり、LPSAの最終回答は、要は、LPSAの認定基準について連盟との協議が整えば、マイナビ様に対局放棄について謝罪してもよいというものです。

ここはすげーな。(大人の侘び寂びが見え隠れして素直に読んだらいかんとは思うが)
連盟は最大限の譲歩、LPSAはゼロかイチか。
LPSAは1人の女性の未来を打ち壊してしまったか。

*1:どこかで将棋ソフトと対戦してo勝x敗だったら認定という提案はいいと思ったが、逆に連盟の基準を揺るがしてしまうかも