今週の将棋(4/8-4/13)

4/13 第2回 電王戦 第4局

▲Puella α
△塚田泰明九段

内容としては完敗だし、引き分け狙いがプロのする将棋か?とか罵倒されてもおかしくはない。でも世間が記憶するのは結果だけ。これで人類vsコンピュータは指し分けの可能性も出てきた。
泥水をすする覚悟で負けまいとした態度をプロ棋士の矜持と表現する気にはならないが、終局後に思わず感極まった48歳の元タイトル獲得者・A級7期の九段を貶めたり笑ったりできないのは、
>人間は、同類の人間にだけ感情移入するように、(おそらく生物的に)プログラムされている。((c)プエラ伊藤さん)
ってことなんだろうか。確かにfloodgateも自分の棋力の範疇で理解できないからつまらないし(これはプロ将棋も同じだけど)。

人間が負けても人間の将棋は何も変わらず続いていくという羽生さんの言葉には自分はそう同意するけど、それはプロ棋士の将棋が唯一無二の頂点を極めていた時代に棋士の魅力に引きこまれたという背景があるため。これからの時代のファン候補たちはコンピュータより弱いプロ棋士の将棋に思い入れを深められないのでは?と。例えば名人戦棋譜をコンピュータにかけて一手一手を冷徹に分析して絶対神と崇めるコンピュータの威光を借り、わずかな悪手を拾って、だから人間の将棋はダメなんだとか訳知り顔で言う輩が出てくるはず。ただ楽しみたいだけなのに、気を削ぐ言葉との無益な争いはすげーめんどくさい。


さて最終局。三浦八段の出番。
どうやら習甦だけは明らかな欠陥を突く手順があったようだが、4位以上のソフトたちはそうでもない感じ。なのでGPSの計算量に三浦八段が負けても仕方ないし、激しく攻めて熱い将棋で玉砕しそう。負けたときの衝撃はでかいよな。前期A級で7勝2敗の男ですから。レーティング的にも20位と。

人間に勝つコンピュータ将棋の作り方

人間に勝つコンピュータ将棋の作り方

最近これ読んでる。アプローチの仕方でソフトもそれぞれ色がある。人間の思考をトレースするってのは難しいことなんだと改めて思う。