今週の将棋(4/15-4/20)

棋聖戦準決勝2局が熱かった。

4/18 第84期 棋聖戦 準決勝

中村太地六段
郷田真隆九段
戦型:相矢倉▲37銀型

3/1渡辺明-郷田戦(A級順位戦)、3/15森内-郷田戦などのような3筋に力を集めた先手に対して、逆に△37銀で先手の攻め駒を圧迫するやつ。先手後手ともに激しく攻め合うのでこれ好きな矢倉。62手目△26銀不成が趣向。
最終盤、118手目△87角が寄らない手。事件。ところが逃げ切れるはずの中村六段はこれだけはダメな銀を打ってしまった。感想戦で「銀以外なら何でも良かったんですけど、変なことを考えてしまって、ちょっと説明できないんですけど」とギリギリの局面で錯誤が起きてしまった。後手からの寄せは読んでいたようだが。

4/18 第84期 棋聖戦 準決勝

久保利明九段
渡辺明竜王
戦型:三間飛車 相美濃囲い

後手は低く構えて、狙いの飛車交換を成功。後手ペースで進行して竜王快勝譜かと思っていたが、先手はお得意の捌きで手駒を増やしたり交換したりして力強く形勢をたぐり寄せる。でも居飛車側が少し模様がよく、トドメはスルスルと入玉と。いやはやお強い。
2人の対戦成績はこれで11勝11敗のタイに。

4/20 第2回 電王戦 第5局

三浦弘行八段
GPS将棋
戦型:脇システム

まずは三浦八段お疲れ様と。
A級棋士が得意戦法で真っ向からぶつかって敗れた。COMの弱点を突く将棋ではなかったのでその姿勢は称賛したい。

竜王も驚かせた、細い攻めを繋いだ。人間は読み誤りを考慮していくぶん余裕とか遊びを持たせるかもしれないけど、COMは徹底的に読み切ってから指すわけで、そりゃ人間の目からは細く見えても途切れることはないのだろう。

これからプロ棋士は積極的にトップ将棋ソフトを活用して将棋の新定跡・新手を開拓していってほしい。効率的に莫大な情報処理はCOMに任せるのが普通でしょ。アイデアの起点は人間、複雑な分かれはCOMに。その集積をもとに、羽生先生の「変わりゆく現代将棋」みたく、このポイントだけから上下巻すかとか10冊の大著になるような、将棋の真理の一端を突き詰めるような棋書を読んでみたい。