最近ぐっときた将棋
2ヶ月ちょい放置してた。
5/27 第26期竜王戦4組決勝
後手の左金が天王山の55歩を尖兵にして先手の穴熊に切れこむ。さらにこの金が先手陣の喉元に突き刺さった状態から96手目△87金が痺れる一着だった。相手をじっくりと真綿で締め上げる永瀬将棋の真骨頂。
当初は永瀬の棋風が嫌いだったが、どうもハマり出してきた。
5/29 第61期王座戦挑決トーナメント
18手目△53銀で急戦の構え。そしてお得意の阿久津流55角で2手で73に角を移動。32手目△52飛が42手目で82に戻り、もう一度60手目で52に振り直す。後手玉を閉じ込める窮屈な一手のようで、終盤恐い場面を生み出しつつ、でもこれが最善だったようだ。86手目△55飛。玉の退路を確保しつつ攻防の拠点に立つ。ここでさっぱりと捌けた印象。多少先手に食い込む余地はあったようだが後手がわずかにリードを守れる展開だったようだ。
先手は安易に穴熊を組もうとしたことが構想ミスだったかもしれない。
自分、後手急戦矢倉が好きなんだよな。
5/29 第54期王位戦挑決
14角とかモテミツ先生らしさが出つつ、ナメちゃんらしい荒々しさと脆さも共存して、この二人の"らしさ"が表に出てぶつかりあうってことは、つまり前例を追わない将棋になるわけで。18時で49手という超スローペース。解れた糸がゆっくりと束ねられて康光陣はいつしか金銀が密着したがっちりとした陣形。一方の先手陣は金銀がうわずって玉の横っ腹が寂しい。ターフの魔術師ならぬ盤上の魔術師的な。
ここから100手近く進んで143手で行方八段がタイトル戦初登場の切符を獲得した。
39歳ですか。"ゆくえ"じゃなくて"なめかた"って読むと読売新聞の棋譜で知ったのは自分が高校生の頃だったか。振り返ればあのときの棋譜はもしかしたら初参加の竜王戦で挑決三番勝負に辿り着いたうちの一局だったのかもしれない。それから20年だもんな。長い道のりだった。