今週の振り返り

7/5 竜王戦 決勝トーナメント 谷川浩司九段-豊島将之七段

50手目△54角とかその後の54手目△64桂とかこれはもう後手ペースでしょ。ところがここは△72歩としっかり受けておく方が正解だったそうだ。それでも後手有利だと思っていたが、でもしかし70手目付近から実は先手悪くないとの棋譜コメント。谷川会長自身も悪いがそれほどひどくはないような認識だったようだ。
そして長い長い最終盤。詰むや詰まざるやの大熱戦ではあったが、やっぱり双方読み誤った場面が何度かあったようで熱戦というよりは冴えずにもつれ合ってしまったというイメージ。とよしー痛恨の敗退。

7/4 棋王戦 挑決トーナメント 1回戦 千葉幸生六段-山崎隆之七段

山崎、四間飛車ってwww 3筋の位を取る。あまり見ないような形。4筋の飛車先を切って、後手から角交換をしてさらに34筋がスカスカに。先手も飛車先が通った状態で33手目▲65角打、それに対して△14角と。どこから何が飛んでくるかわかんないような陣形で、もうこれはプロの将棋というか、不安定な局面をこしらえて自分のペースを掴もうとするヤマサキ将棋だなぁ。ここらへんは先手の右桂を抑えこむことを目的としていたようだ。
ともかく先手は後手の玉頭を強引にこじ開けてから寄せていったわけだが、どうも寄せを誤ったようだ。ヤマサキがいつ投げるかという状態だったが、後手玉を銀や桂も効きでしぶとく寄せ切られないようにケアしつつ、2枚飛車で強襲してあっさり詰ませてしまった。逆転。

7/4 棋聖戦 中村亮介五段-高田尚平六段

話に聞いていたが高田将棋ってのは異様ですな。それが2局も見られると。序盤で作戦大失敗で高田敗勢にしか思えなかったよ。大逆転。

7/4 棋聖戦 高田尚平六段-土佐浩司七段

午後の高田将棋。左銀がいきなり53へ上がって5筋で一歩を獲得。午前は縦に2枚銀だったが、本局は横に銀を並べて。先手の構想を咎めるべく後手は積極的に動いたがこれが逆効果でむしろ後手がガタガタになり、わずか65手で土佐投了。

7/3 棋王戦 挑決トーナメント 深浦康市九段-糸谷哲郎六段

序盤も序盤、飛車先を切った先手に対して10手目△31金。挑発というわけではないが、深浦九段はこういう場面をスルーできない性格。感想戦では次の▲38銀に何度も戻ってきた、とのコメントあり。でぐいっと飛車交換から後手は龍を作る。感想戦コメントでは22手目△23飛成でもう先手が苦しいとのこと。この龍はなかなか活躍しなかったがそれでも両者ともに抱える構想の難しさからポイント稼いだ方が自然とよくなる寸法か。
力戦型の将棋にはヤマサキ将棋のような絹ごし豆腐のようなユルユル地盤で絶妙なバランスをさぐるような軟調なタイプもあれば、糸谷将棋のようなガツンと激しくぶつかり合う硬調のタイプもあるように思う。深浦九段も硬調の力戦型がよく似合う。男深浦、売られた喧嘩は買いますよ、と火花飛び散る面白い将棋になるので。

7/2 竜王戦 決勝トーナメント 羽生善治三冠-小林裕士七段

横歩取り青野流で。青野流のメリットってのは何なのですかね。まあ横歩取りそのものが難しいので説明されても理解できないですが。羽生三冠が快勝。

6/29(6/17) 竜王戦 4組 決勝 阿部健治郎五段-永瀬拓矢五段

ナガタク六段昇段の一局。
手損のない角換わり。相腰掛銀。香は11のままで4筋から仕掛けるよく見る展開。後手の懐が深い。先手の切先がいつまでも届かない。永瀬氏は相手との距離感の取り方が上手ですね。