今週の将棋(3/4-8)
3/4 第54期 王位戦 挑決リーグ紅組
飛車交換後に後手からの角連打で快調に主導権を握っていたようはずだった。ところが▲49歩で容易には先手玉が寄らなくなって、さらに▲51飛で後手陣の予想外の薄さに愕然。逆転とは違うのだろうがコロッとてんてー転げてしまった。62金・71銀型の脆さというのもあるのだろうが速攻決まらず。
ともに1勝1敗。
3/5 順位戦C級2組 10回戦
▲55〜85飛で40手目に飛車交換と激しくなった。先手はさらに馬と作って、後手は攻めの端緒を作れない。なので、やむなしの自陣飛車とか。実に先手のいいように事が進んで85手目、15時9分に早すぎる終局。
菅井五段は8-2→9-1からの2年連続9-1で3期でのC1昇級を決めた。上がるべき男が上がったとはいえ、そう棋士がC2には数人はいるわけで簡単じゃないこと。来期、連続昇級も期待できる。
3/5 順位戦C級2組 10回戦
(千日手指し直し局)
▲澤田真吾五段
△永瀬拓矢五段
戦型:先手中飛車vs丸山ワクチン
澤田五段は勝てば自力での昇級がかかる一番。
ええ、そういうときでも永瀬五段は全力を出しますね、千日手に持ち込みました。
指し直し局では持ち時間に大差があり、澤田：1時間、永瀬：2時間56分。
永瀬は向かい飛車に振りなおして左辺で両者がぶつかり合う。結果、後手が2枚の角を使って着実に優位を築いたように見えた。澤田五段、時間がない中でも先手の攻めを抑えこみ72手目47角成とかも男気ある一手。大一番でも震えてない。
でも不思議なことに、先手は48金型でそう堅くないのに金銀の連結があって隙がなく、攻め駒も馬とと金だけなのに、と金の大活躍で後手玉が半裸状態に。永瀬五段の攻めはどちらかと言うと重たさがある印象だったが本譜は実に手際よく鮮やか。
永瀬にはヒール役が似合う。
C2最終局が終わり、9-1で3人が昇級。前述の菅井五段、阪口悟五段、そして1期抜けの斎藤慎太郎四段(→五段)だ。総当りではないリーグ戦は実力とともに運も必要。斎藤五段は1敗も許されない45位、幸運も味方にしたが菅井五段も破っているし他棋戦の結果からも文句なし。まあ昇級できなかった数名も文句なしな面々がいるわけだが。
来期こそ澤田五段は昇級するだろうし、佐々木勇気四段(8-2)もきっと。永瀬五段はもたつきそうな予感も。
そういえばと、八代弥四段は5勝1敗からの1勝3敗ですか。
あと上野裕和五段はフリクラへの陥落。
各所で評価高いですが、この本、必読書ですぜ。居飛車編も楽しみ。執筆活動でもう一旗あげてください。順位戦以外で本業もがんばりつつ。
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3/6-7 第62期 王将戦 七番勝負 第5局
58手目：封じ手は△56歩。周囲の予想は54歩だった。
ところどころで康光的な指し手もあったが落ち着きのある将棋で中終盤まで互角の戦いに思えた。
92手目△59飛打が相手にもたれる指し方と。切れかかった後手の攻めだがこの飛車が駒を拾って寄せの種銭を稼いだ。竜王らしく細い攻めをつなげる。
竜王が初の王将位獲得。通算11期目のタイトル。棋力漲る充実の三十代を前にして、あといくつタイトルを奪取するのだろう。羽生世代が五十路に突入したら神がかり的にタイトル重ねるだろうが。
3/7 順位戦B級2組
プレーンな感じの横歩取り。豊島七段の将棋は堅実というか無難というか、色がないというか。
先手玉が浮いて若干寄せが面倒そうに見えたが確実に仕留めた。
豊島七段は9勝1敗で連続昇級。B1では少し留まってからA級ですかね。
藤井九段は会心譜だったそうで9勝1敗のトップ昇級。
3/8 第84期 棋聖戦 決勝トーナメント
互いに著書のある37銀戦法と。
先手玉は19に潜り込んでハッチは閉じず。先手は1,3,5筋を突いてから1筋突破で龍を作るが後手玉は44に入り込んでこれが捕まえにくい。
77手目の勝又教授のコメントにあるように逆に先手陣はホントに脆かった。崩し方もコメント通りで。
久々に木村八段の苦しくない棋譜を見たような。勝っても負けても髪の毛抜けそうな苦しさがあって。
先手の屋敷九段にしかも矢倉で勝ったという。
3/8 第84期 棋聖戦 決勝トーナメント
今週は仕事多忙。週末深夜、半寝状態で眺めていたので何も感じなかった。今朝Twitterでバズってるのを知って再見したら、あーこれはすごいぞとようやく気づいたw
携帯中継、糸谷玉の恐るべき生命力について。なんすかこの棒玉。
— Daisuke Katagamiさん (@shogidaichan) 2013年3月8日後手玉、追い回されて9五まで進出→さらに逃げまわっていたら5二へ。中住まいかよ。玉だけで何手指した？？
ずっと深浦九段が優勢だと思っていたが、王手は追う手とばかりにヌルヌルと逃亡されてしまった。糸谷玉、何かキメてるんじゃないっすかね。無敵状態でした。
糸谷六段、次は竜王と。
