先週と今週の将棋(3/10-3/19)

3/10 NHK杯 準決勝 第2局

郷田真隆棋王
羽生善治三冠・NHK杯
戦型:ゴキナカ 銀対抗 △62銀・72金型

羽生の苦痛の表情、両者顔真っ赤で話題となった。
今期の最高の熱戦だったのでは(ハタチンvs豊島も負けてないけど)。
郷田棋王優勢で進めたところで95手目▲53桂成が早まった手だったそうだ。そこからの30秒将棋で詰みを読みきった羽生の凄み(多分に右脳的な直感でもあるのだろう)。先手ならほぼ勝てる。不利な将棋も不思議と逆転してしまうのは積み上げた実績ゆえの威圧なのかわからんが今期も怪しい将棋はあったが、本譜も奇跡的な逆転で。

3/17 NHK杯決勝

渡辺明竜王
羽生善治三冠・NHK杯
戦型:相矢倉 △銀立ち矢倉

準決勝の郷田戦も不出来といえばそうなるのだろうけど、羽生の謎の構想のために、決勝がどうしょうもなく淡白な勝負になって残念すぎる。終盤なくして終局。矢内さん発見の▲56角が決定打。この両者の解説が藤井九段とNHK粋なはからい。予想がズバズバ外れる。一番注目される日にお笑いの要素を入れるとか、将棋ファン拡大のためにNHKはいい仕事をしてくれる。渡辺竜王NHK杯初優勝。番組終了間際に時間余ってしまったのか竜王の手持ち無沙汰な表情が面白かった。

3/10 第38期 棋王戦 五番勝負 第3局

郷田真隆棋王
渡辺明竜王
戦型:相矢倉 ▲37銀

この日はNHK杯+100万円チャレンジ+棋王戦のため記憶が散漫。特に棋王戦が最も薄い記憶になってしまった。
強すぎるけどつまらない将棋を指すことで有名な竜王らしくない、66手目△94桂が関係者驚きの一手。郷田棋王はこれで防戦一方となって、結果的には竜王らしい圧勝となった。竜王が2勝1敗で棋王獲得に王手。

3/12 順位戦C級1組

大平武洋五段
稲葉陽六段
戦型:カニカニ

稲葉六段は順位戦デビューで児玉孝一七段にカニカニ銀で苦杯を飲んだ、というのは有名なエピソードらしい。

まあでも通用するわけもなく、16時46分、大平投了。昇級降級かかる対局で早指しの人がいると盛り上がりに欠けてしまうけど、別に悪いことしてるわけじゃないし。

稲葉六段が昇級。もう1人は村山慈明六段と。
自力昇級のかかっていた真田圭一七段は千葉幸生六段に敗れた。真田vs千葉は真田の4戦全勝だったのに、18期目のC1からまた上がれない。

話題になっていたが、今期順位戦は名人挑戦者・昇級者10人のうち9人が1敗。全勝がなく2敗もなく。

3/15 第63期 王将戦 一次予選

菅井竜也五段
△畠山成幸七段
戦型:先手中飛車

入玉してきた後手玉を187手で捕らえて菅井五段の勝利。
菅井五段のあきらめの悪さ、負けてたまるかの執念。研究とかそういう次元でないところでの精神的な粘りがあるから、伸びる棋士なんだろうかと。

2/1 第26期 竜王戦 1組

佐藤天彦七段
山崎隆之七段
戦型:?

山崎七段の急戦。中盤では右玉風に。
貴族が勝って次戦はてんてーと。

3/19 第54期 王位戦 挑戦者決定リーグ 紅組

行方尚史八段
広瀬章人七段
戦型:ゴキナカ 銀対抗

広瀬七段は持ち味通りの穴熊に。37手目▲97角で後手から端歩を突かせて、角頭を香車に睨ませてもなるほどこういう穴熊崩しがあるんだなと。中盤形勢不明な場面もあったようだが、最後は後手玉を縦から引っ張りだして全勝対決は行方八段が3勝0敗に。