第3回電王戦

出場ソフトの決定方法はあれとして、5対5団体戦で前回と同じ形式。ソフトは事前提供して、統一のハードを使用と。いや、つまらん。タニー会長らしい無難な落とし所を目指したつもりなのだろうけど、こうやって棋士側に配慮をしたところで、勝っても負けても毀誉褒貶相半ばすることになるだけ。仮に棋士側が勝ったら第4回どうするんだろ。ソフト提供&ハードのスペック同じにしてタイトル保持者か陥落したばかりの棋士を連れてまたやるつもりだったら、もう笑う。これは間違いなく盛り上がらない。
棋士負けてほしいな。そしたらソフトと人間の新しい関係を構築すべく趣向を凝らしていける。ソフトvs人という企画はもう終わりでいいんじゃ。

電王戦2.1タッグマッチはちょっとおもしろそうだけど、これは棋士側の慣れも必要に思うので、今回はまさにお試し企画かね。

8/22 B級1組 5回戦
阿久津主税七段-豊島将之七段
横歩を取らずに96歩を突いた相掛かりに誘ったあっくんが意欲的な指しっぷりで全勝のとよしーを打破。横歩にしたら負けそうだもんな。でもそういう消極的な感じはなくて飛車先交換してからもう一度24歩して、いろいろ練り込んだ作戦というのは感じられた。とよしーは54角がいかにも抑えこまれまいとして強く打った一手に見えたが窮屈で一本調子。終盤の粘りはさすがの勝率7割男だったけど逆転の気配はなく。

広瀬章人七段-藤井猛九段
角交換四間飛車はもう終わったか、てんてー完敗。

無敗は消えて、4勝1敗にはっしー、松尾、広瀬、とよしー。3勝1敗に丸ちゃんとハタチン。山崎は1勝4敗と。うーむ。そして大介0勝4敗、たかみち5連敗って。たかみちは1敗勢のみに負けてる。B1はまだ8戦もあるし、降級方面はまだまだわからない。

先週のNHK杯 森内-松尾戦は最後まで集中させららた。名人がちょっと危険そうな不安定そうな変化を選択。いや、なかなか名人戦以降の名人の将棋はカッチカチでなくて妙味を含ませているというか、何かおもしろいとうに思う。本譜は松尾が勝ちを逃したかもしれないので、それはそれとして。

奨励会入会試験、サトシン(慎一の方)の弟子が9歳で合格ですか。年齢と素質は比例する世界ですから楽しみですね。
三段リーグは最終日を前に石井健太郎が四段昇段を決めた。14勝2敗。15歳増田くんは3番目まで押し上げてきた。2位の三枚堂とは星の差1つ、順位は増田のほうが上とはいえ、対戦相手を比べるとちょっと不利かも。

三浦弘行九段昇段

1992年10月1日 四段(第11回三段リーグ戦優勝) - プロ入り
1995年4月1日 五段(順位戦C級1組昇級)
1996年10月1日 六段(特別昇段・棋聖獲得など抜群の成績)
2000年4月1日 七段(順位戦B級1組昇級)
2001年4月1日 八段(順位戦A級昇級)

三浦弘行 - Wikipedia

昇段インタビューでもありましたが、
1992年四段→2001年A級昇級により八段(=9年)→2013年八段昇段後公式戦250勝で九段(=12年)、
と八段〜九段までが長い道のりでした。30代最後の半年にもう一花咲かせられないものか。

8/6 順位戦C級1組 船江恒平五段-菅井竜也五段

超速vsゴキゲン中飛車。超速に屈しない男は本局でも跳ね返した。
フナエモンだって強い棋士だからそう簡単に土俵を割らないから、競馬で言えばずっと競り合い、叩き合いが続いていたようにも思えたけど永遠に縮まらない半馬身差、みたいな。
先手は左銀を66まで運んでからまた68に戻して、そこから56歩で仕掛けるという素人には不思議すぎる構想。バラしてからじっと受け勝つつもりだったのかと思うが、後手も急がないでじっくり力を結集させて、無理をしないから攻めが破綻しない。
菅井3連勝、船江2勝1敗。

菅井が初戦でハメ手のような作戦で倒した阿部健治郎五段は脇謙二八段に敗れ1勝2敗と崩れている。

全勝勢はほかに5人、千葉幸生六段、糸谷哲郎六段、中村太地六段、小林裕士七段、高崎一生六段。ダニーは対戦相手的に恵まれている面はあるけど、それでも菅井、太地は突き抜けるのかもしれないな。

8/1 順位戦B級1組

豊島将之七段-山崎隆之八段
ここまでの対戦成績は山ちゃんの4勝と一方的。
山ちゃんは角道オープン四間飛車から4→3戦法ですよ。3筋の歩を交換して午前中から22手目△36歩ともう収まらない流れを予感させて、そしたら山ちゃんはやりますよね。昼休み明け早々に△37角と思い切りよく。捌き合ってから40手目で2筋の歩は謝らずに31金と突っ張る。そして再度の捌き合い。両者と金で取り合って62手目△62金寄の局面では山崎不利に思えてそこまでの大差ではなかったらしい。けど63手目▲68金打が先手の守備を強固にする重要な一手。読めてますな。強さに特徴がないところが小手先じゃなく総体的な能力の高さを表しているというか。豊島4連勝、山ちゃん1勝3敗とまずい。

松尾歩七段-橋本崇載八段
ハッシーはB1の居心地が良さそうで。3勝1敗。

ここまでB1は豊島(4-0)、ハタチン(3-0.本節抜け番.恒例のスタートダッシュ)、ハッシー・松尾・広瀬(2-1)と。タカミチ・大介(0-4)とは。

8/1 順位戦B級2組
戸辺誠六段-佐藤天彦七段
千日手指し直し。天彦3連勝。天彦氏が強いのは確かですが、戸部氏は頭打ちですかね。今期4局目という少なさ。本人のブログでは復調の気配を感じ始めているようですが。

B2は中田宏・天彦・青野(3-0)、青野先生は組合せの妙もありますけど専務理事という立場で還暦のお方ですから立派です。

8/3 東急将棋まつり席上対局
豪華すぎる。混んでなければ行きたかった。

羽生善治三冠-三浦弘行八段(解説:藤井猛)
羽生、角道オープン四間飛車を選択、空気読み過ぎですw やっぱり捌きの感覚が難しいな。77歩ね。
藤井解説者もTVじゃなくこういう舞台だとほんと生き生きしてる。

広瀬章人七段-松尾歩七段(解説:ひふみん)
前後の華やかさと比べると地味かもしれないけど、このマッチメイクはいいね。
当然の流れで四間飛車穴熊vs居飛穴と。お手本のような松尾の攻めでしたが、30秒将棋でのただ捨て▲49金が効果絶大で逆転されてしまった。
ひふみんがどうしても棒銀で広瀬の振り穴と戦いたいと秋波を送り続けていたのが微笑ましかった。

藤井猛九段-加藤一二三九段(解説:三浦弘行八段)
ノーマル四間飛車vs棒銀。悲しいくらい華麗に棒銀の姿焼きと。当夜(0時は回ってたよな)、ひふみんがFNS27時間テレビでクイズ出してたのには驚いた。事前に連盟のお知らせはあったけど。熟年以上の人のがんばりを見て元気をもらったとかクソみたいな感想は言いたくないけど、齢70超えて大ブレイクしたこの人の気力体力を見てると日常や仕事上での怒りやイライラがただ小さいものに思えてくる。
ちょうどニコ生で「電王戦棋士が降臨!『将棋倶楽部24』特番」の時間帯にぶつかって、モバイル中継アプリの宣伝かねての?リアルタイム解説があったわけなんですが、遠山編集長の解説が実に歯切れよくわかりやすかった(一二三定跡なので迷いなく先が読めたのでしょうが)。編集長、NHK杯の解説だと圧が強く感じるんですが、自分のペースでやらせるといい。一人語り向きというか。

先日、大掛かりに部屋の整理をしてたら何やら競馬関係の絵葉書が数十枚単位で掘り出されまして、あれこんなに買ったっけ?と不思議に思っていたらこちらでいただいたものだった→www.h2.dion.ne.jp/~k_sketch/。いただいたのは2003,4年頃だったような?サイトが(ほとんど同じような形で)継続していることにまたびっくり。すごいな。

7/29-30 第54期 王位戦 七番勝負 第3局 羽生善治王位-行方尚史八段

逆マジックというか。63銀とかが緩手だった?あるいは先手優勢に見えて決め手はなかったのか。
ナメ氏らしい中終盤のねじり合いからの生々しく白熱した逆転劇というよりは羽生王位っぽいふわっとした逆転で。タイトル戦でこんな不思議な将棋は自分には初めて。
流れを変えるかもしれない結果かもしれないけど横っ面を叩かれるような負け方ではないと思うので、ここからあっさりと4勝1敗でも驚かない。